ドルフィン・トラフィックス始動

 ドルフィン・トラフィックスのメンバー5人がようやく全員集合し渋谷のスタジオペンタにて2時間のリハーサルを行った。やはり全パート揃うと音も大分バンドらしくなってくる。メンバーが確定したところでどんな曲を演っていくか、ということを検討中。
 リハーサル後、楽器屋でCUBASEを物色。RENDEZVOUSの標準作業環境はCUBASE VST5だが現在はCUBASE SLかSXが標準になっており古いバージョンは取り扱われていなかった。それにしてもパソコンでレコーディングをする時代がこんなにも早くやって来るとは5年前には空想だにしなかった。テクノロジーの風化は加速する一方だが、だからこそ人間技の価値が再発見される時代なのかもしれない。
 渋谷に来たついでに気になっていた「I、ROBOT」を観て帰る。予想以上にハードなSFテイストで見応え充分。個人的に"Ghost in the Machine"は存在すると思う。人間と機械の差、それは歴然としているようで意外に曖昧なものなのかも知れない。例えば進化し続けるシーケンサーが次第に人間に近いグルーブで演奏し始めるのを見て来た僕らの世代はマシンにはマシン特有のグルーブがつまり個性があることを知っている。
 これからの時代を生きていくとき、テクノロジーに無知ではいられないし、その一方で人間にしか出来ないことを追求して行くことも忘れる訳にもいかない。そこで人間らしさってなんだろう、と考えてみると例えば足が二本しかないせいで人間はハイハットをクローズしながらツーバス連打をすることは出来ないといったようなフィジカルな制約だったりする。テクノロジーとの共存とはつまりマシンによる身体性の拡張、ということに他ならないのではないだろうか。
 音楽を製作するにあたってもこのことは意識していることでドルフィン・トラフィックス用に具体的にどのような曲を書くかはまだ決めていないがせっかくだからこのテーマを体現するようなアレンジを施したいと思う。
 当たり前のことを随分長々と述べてしまった。結局MIDIとオーディオの統合っていうのはそういう事じゃないか。